~101回目のプレスリリース~第4話「盛々男、現る」
『101回目のプレスリリース』は、「プレスリリースの配信」を題材に「恋愛」を掛け合わせ、物語としてプレスリリースや広報の基本を学んでいただけるストーリーコンテンツです。
【前回までのあらすじ】
ことごとくデートの誘いに失敗してきたタカシマであったが、なんと麗子が行きたがっていたグルメイベントのチケットを入手!早速麗子にお誘いの連絡を入れるものの、返ってきた答えはNO…
何故ならグルメイベントは既に終了しており、さらにお誘いの文章は誤字脱字だらけ。
起死回生を狙いたいタカシマは、渾身の手紙作戦で挽回をはかろうとするが…
―9月下旬のとある休日―
ふ~、小鳥たちのさえずりと木々の揺れ。そして最高の一杯。
至福の時とは、まさにこのことか…
都内の飲食メーカーに勤める28歳の会社員。広報担当。
プレスリリースの基本は分かっているが、恋愛に関しては全くダメ。
広報担当者の交流会で出会った麗子とデートの約束を取り付けるために日夜奮闘中。
趣味は将棋の棋譜を眺めること。
くぅ~、コーヒーが美味い!
なーにかっこつけてるベア
恋愛のアプローチ方法をプレスリリース配信で紐解くという独自の理論を持つ謎のぬいぐるみ。
タカシマを指南するために現世にやってきた。
白くまでは無いと言い張るが語尾に「~ベア」が付く。
おーこれはこれはリリー君じゃないか!
いやー、休日のカフェタイムは最高だなと思ってね♪
えらくごきげんベアね。ところでこれは何ベア?
フッ、よくぞ聞いてくれた!
これは愛しの姫君こと麗子さん宛の手紙さっ!
ほー!こんなご時世にあえて手紙とは。中々いいアイデアベアね♪
だろ~?昨日の夜さっ♪棋譜を読んでたらピンときたんだよねっ♪グハハハ♪
(どんな内容を書いたかは知らないけど、気持ちが伝わるといいベアね)
―そして2日後―
ん?何かしらこれ
アメリカで最先端のマーケティングPRを学んできた敏腕広報ウーマンの28歳。
帰国子女で語学が堪能。現在は様々な企業の広報でコンサルティングをしている。
主人公タカシマが恋い焦がれる女性。
この達筆な字は…タカシマくんからだ!なんだろー?
天気も良いし公園でランチしながら開けてみよ♪
な、なにこれ… ありえない!
もうーーーーーーー!!!!
(ヴー、ヴー)
(カチャカチャカチャ…ッターン!)
明日配信予定のプレスリリースの原稿完了っと!
ん?
グへ、グヘグヘグへー!(キタ、キタキタキター!)
まさかの麗子さんからの電話―!!
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もしもし麗子さん?(グへ♪)
お疲れ様です!珍しいですね麗子さんから電話だなんて!(グヘグヘ♪)
どうしたんですか急に?(手紙を読んで居ても立っても居られなくなったなこりゃ♪)
読んだよ…手紙
うぁー!恥ずかしいなぁー!(手紙作戦、やはり大成功!)
拙い文章ですが読んでいただきありがとうございます!
うん。手紙は嬉しかったよ。ただあの内容は何?なんであんな嘘つくの・・・
もう当分の間、連絡はしてこないで!!!
ブチッ!
ちょ、麗子さん!待ってください麗子さん!!
プププー…
はぁー、はぁー。や、やばい。こりゃやばいで。
麗子さん完全にブチ切れとる。手紙の何がいけなかったんやー
なんであんな内容の手紙を送ったベア!
うわっ!なんだリリーかよ。なんだよ!
お前だって手紙はいいアイデアだって言ってたじゃないか!
またまた自分がしたことが分かってないベアか!?ならこれを見るベア!
―15分前の麗子―
うわー、お手紙だ!(こういうの学生以来だな~♪何が書いてあるんだろう♪)
麗子さんへ
突然のお手紙すいません。タカシマです。先日お誘いしたグルメイベントの件は、すいませんでした。
突然ですが、今日は麗子さんにもっと僕のことを知ってもらいたくてお手紙を書かせていただきました。
実は僕、こう見えてスポーツが得意でして。休日はテニスをやったりしてます。スカッシュなんかも得意でして、大学生の時には日本選手権で“日本一”になったこともあるんですよ。カクカクシカジカ・・・
(へー!タカシマくんってスカッシュで日本一だったんだ!すごいなー!)
・・・・・まぁ僕はこんな感じの男なんですけどね。
麗子さんの好きなモノや、趣味や特技って何ですか?
麗子さんのことも色々知りたいです。お返事待ってます。
P.S. 最近車を購入したので、今度ドライブにでも行きましょう!
タカシマより
(な、中々のボリュームだったけど、タカシマくんって色々すごいんだなー。
あ、写真も入ってる)
へぇー!これが購入した車かー!すごいなー、かっこいいなー♪
ん?あれ?
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(これって確か…私が担当してるクライアントの車と一緒…
まだ日本じゃ未発売のやつじゃない?試乗会は先月やったけど。
あ!私、写ってる!やっぱりこれ先月の試乗会イベントの時の写真だ!)
(もしかしてさっきスカッシュって日本一ってのも・・・
そうだ、タカシマくんは確か私と同い年。お互い大学をストレートで入学してるからスカッシュの日本一は私の元カレじゃない!
だって元カレは1年生から4年生まで4年連続日本一だから、タカシマくんが日本一なわけがない!)
(ここに書いてあることって、本当のこともあるのかもしれないけど、かなり盛ってる!?)
(タカシマーーー!!!!)
―そして現在―
なんてこったーーーー!!
「なんてこったーーーー!!」じゃないベア!
ユーは麗子に自分を偽ってアピールしたベアね?
いや、なんていうかさ。ちょっと、ちょっとだけ良く見せようかなと思って・・・
バレやしないベアと?
・・・
ヘイ、ユー!
ユーはプレスリリースでもそんな事実とは異なる内容を書くベアか?
か、書くわけないだろー!プレスリリースは企業の公式文書!信用第一だぜ?
宣伝文句はもちろん、誇張はせずに客観的なデータを用いて事実を書くこと!
A4用紙1枚~2枚程度でまとめることが大事なんだよっ!
もうー!どうしてプレスリリースのことはちゃんと分かってるのに、恋愛になるとこうなのよ!
え?なのよ? 今「なのよ」って、普通に喋った?
なぁ普通に喋ったよな??
(しまった!)
と、とにかくベア!あんなに内容を盛ってて自分のことばかり書いてる大量の手紙、誰ももらって嬉しくないベア!
うっっ、そう・・・だよな。
自分でもなんでいつもこうなっちまうのか分からないぜ・・・
まー麗子だったら許してくれると思うけど、プレスリリースだったら大問題ベア!一度失った信用は取り戻せないベアよ!
リリー(泣)本当お前の言う通りだよな。ありがとう。
次は失敗しないように頑張ります!
さーて、早く仕事を終えてご飯でも食べに行くベア!
もちろん“スカッシュの学生チャンピオン”のタカシマのおごりで~♪
ゔゔ~。もう許してくれよ~、本当は“町内会のチャンピオン”になっただけだよ~(泣)
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(ところでなんでリリーは手紙の内容知ってたんだ・・・?)
To be continued…
- プレスリリースでは宣伝文句は使用せず、客観的に判断できるデータ等を用いて事実のみをきちんと書くベア!「日本一」や「世界初」を用いる場合は、根拠や裏付けとなるデータを本文内で記載するベア!
- 情報量が多すぎるプレスリリースは、結局何を伝えたいリリースなのか分からなくなるベア!A4用紙1枚~2枚程度にまとめて、1番伝えたい情報から書いていくことが大事ベア!