<プレマガ広報インタビュー>株式会社アイモバイル 谷澤 留理さん

プレスリリースマガジン編集部

インターネット広告事業・ふるさと納税事業などを展開する株式会社アイモバイル アドプラットフォーム事業本部 広報の谷澤 留理さんに、広報担当者としての業務についてお話を伺いました。

会社へ広報の設置を自ら提案

― 貴社の事業内容について教えてください。

弊社は、『インターネット広告事業』を軸に様々なマーケティング展開を行っています。2018年8月17日に設立11周年を迎え、2018年6月には東証マザーズから東証一部に市場を変更しました。

これからは、「“ひとの未来に貢献する”マーケティングを。」というビジョンを掲げ、B to B事業だけでなく、『人材紹介事業』や『ふるさと納税事業』、2018年6月にリリースしたキャッシュバックグルメサイトの『テッパン』など、より一般消費者に近いサービスを今後も展開し、そこで得た顧客のニーズをインターネット広告事業にも活かしていきたいと思っています。

― ありがとうございます。谷澤さんの略歴を教えてください。

大学で流通マーケティングを学び、卒業後は300年ほど続く老舗の食品商社に営業として入社しました。第一志望は広告業界でしたが、私の就職活動時期に東北地方太平洋沖地震が起き、当時志望していた広告会社が試験や採用を見送り、採用試験を受けることができませんでした。

食品商社には3年ほど務めましたが、「やっぱり広告業界で働きたい!」という強い思いを諦めることができず転職活動を行い、2015年1月に広告枠を提案するメディア営業として弊社へ入社しました。

― 元々広告業界を志望されていたんですね。営業から広報担当になった経緯を教えていただけますか?

営業時代は、主にアプリ事業社向けに営業をしていました。
そこから2年半営業での経験を積む中で、SEOの順位やWeb上の評判だけで競合に負けてしまうということがあったんです。

「外部への情報発信を強化するには、専属で広報活動を行う担当者を置いた方が良い」と強く感じ、会社へ広報の設置を自ら提案し1年ほど前から新規事業として広報を立ち上げて担当しています。

「記者が何を求めているのか」というのを聞き出せるかが勝負

― ご自身の提案がきっかけでしたか。現在の広報体制や広報業務を教えてください。

広報は動画広告やデジタルサイネージ、アドネットワーク、アフィリエイト広告などの事業を束ねているアドプラットフォーム事業本部に所属しており、B to B向けのサービス広報をメインに行っていますが、B to C向けのサービスの広報も一緒に取り組んでいます。

業務は各サービスのプレスリリース原稿の作成から配信、競合他社のクリッピング、メディアリレーションで、SNSの運用も担当しています。

― 事業を多岐に展開されている中、1名というのは大変ですね(笑)メディアリレーションについて、もう少し具体的に教えてください。またメディアとの関係づくりで気を付けている点があればお願いします。

大変ですが、自分が提案したことなので仕方がないですね(笑)
メディアリレーションでの具体的な取り組みは、以下の3つです。

①プレスリリース配信後、配信した媒体の記者へ電話で連絡(話が進めばアポイントを取り後日説明に伺う)
②取り上げられたい媒体を調べ、媒体にマッチする企画を考え提案する
③記者も参加する交流会に参加し接点を持つ

記者の方とのやり取りで気を付けていることは、こちらが伝えたいことを強く出し過ぎないようにするという点です。

現在、元ぐるなび広報で、広報担当者の教育・育成を手がける『PRアカデミー』代表の栗田さんに大変お世話になっているのですが、栗田さんに、「話を引き出せる人になった方が良い」、次回また会いたいと思ってもらえる人になるためには、「記者が何を求めているのか、どんなことを取材しているのか」というのを聞き出せるかが勝負だと教わったので。

そのため、自社の話をしたいと思ったタイミングでもグッと我慢し、「なぜ記者の方がそのことに興味を持ったのか?」などを考え、話を引き出すことを心掛けています。

2018年8月17日で11周年を迎えた同社の受付。
扉や打ち合わせルームのテーブルや机には無垢材が多く使われており暖かみを感じる。
来訪者に向けて用意した記念品のDECOチョコ。
300個を用意するも既に在庫は無くなり、こちらは貴重な最後の2個。

企業理念を浸透させ同じビジョンを持って活動できる組織に

― 先ほどの質問と少し重なりますが、広報に必要なスキル、またどういった人が向いていると思いますか?

伝え方が上手な方、コミュニケーション能力の高い方は広報に向いていると思います。
「そのサービスを誰が誰のためにどういう理由で行っているのか」を、時系列を追って伝えられる能力も重要ですね。

記者の方に興味を持ってもらうには、「どの様に表現するべきか」「どう伝えればいいのか」という事を考える力が大切であり、これは営業での経験が活きています。

― ありがとうございます。広報で参考にしている企業などはありますか?

某IT企業で2社あります。

1社目は複数の子会社を持つIT企業なのですが、外部のプレスリリース配信サービスを使って配信していません。プレスリリースを自社サイトに掲載するだけで、記者の方が自らアクセスして記事にして下さるからです。そういった関係を記者の方と構築できていることが凄いですし憧れますね。

もう1社のIT企業は、ユニークな制度を積極的に展開していることで有名で、取り組みも毎回インパクトがあり、その制度や取り組みがしっかり広報にも活かされています。採用は求人サイトなどを使わず、リファラル(社員紹介採用)のみでされているのだそうです。社内外へ魅力的な情報発信ができている証拠だと思います。

この2社は、代表の方が「広報を活かして売上を伸ばそう」という考えを持っていて、広報としての取り組みが大変参考になりますね。

― トップ自ら広報の重要性を理解されているんですね。では、広報の大変さはどういった所でしょうか?

弊社が伝えたいことを、一般消費者が求めている内容に合わせ、色んな視点から発信していくのが広報の仕事だと思いますが、その辺りは難しさを感じています。
世の中のトレンドに対し常にアンテナを張り巡らせていないと的確な情報発信はできないですし、社内への広報としての意見の伝え方も然りですね。

経営陣が考えに考え抜いて出した答えに対し、広報の立場から、「いま世の中が求めているものとは違う」「このタイミングじゃない」と感じた時にどう提案するか、これは現状できていないので、今後の個人的な課題でもあります。

あと、広報は数値化ができるものが少なくて活動が見えにくいため、なかなか理解が得られないというのはありますね。社内に広報経験者もいないので、なおさらです。

ただ営業と違って広報の場合は、他社であってもそれぞれの悩みや成功体験、取り組んでいることなどを共有することに積極的なため、横の繋がりが非常に強いです。お付き合いのある各社の広報担当者の方たちにはとても助けられています。

― 記者だけでなく広報同士の繋がりも大事だとよく聞きますね。では、広報のやりがいについて教えてください。

メディアに取り上げられ、取り上げられた記事を見て問い合わせをいただけた時は、営業に関りが持てて嬉しいですね。

また、上司に「他社は広報活動でこういった取り組みをしているみたいです」などと伝えた時に、「知らなかった。教えてくれてありがとう。それうちでもやってみようか。」と乗ってくれた時は、社内への情報共有も役立っているんだなと実感を持つことができ、やりがいを感じます。

― ありがとうございます。最後に広報として今後の目標を教えてください。

広報としての一番の夢は、NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に弊社の会長や代表が取り上げられることと、新聞の一面にB to Bのサービスが掲載されることですね。
TV局の方たちとのリレーションを強化することも必要ですし、いきなりサービスだけで興味を引くのは難しいと思うので、弊社に所属する面白い社員を探したり、サービス以外の部分でも興味を引けるネタ作りを少しずつ行っています。

あとは社内広報にも力を入れ、全社員に企業理念を浸透させ同じビジョンを持って活動できる組織にしていきたいです。

― お忙しいところ、色々なお話を聞かせていただきありがとうございました!

インタビュー企業

会社名:株式会社アイモバイル
事業内容:インターネット広告事業、ふるさと納税事業、人材紹介事業など
創業:2007年8月17日
URL:https://www.i-mobile.co.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/imobile01/
Twitter:https://twitter.com/imobile_PR

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